消費者庁は10月14日、日本アムウェイ合同会社に対して、連鎖販売取引(マルチ商法)で違法な勧誘をしたとして、勧誘などの一部業務を6カ月間停止するように命じました。
「特定商取引法違反」という厳しい処分が下された背景には、若者を中心にマルチ商法にハマる人が増えていることがあると考えます。本記事では、もし社員がマルチ商法にハマった場合、企業はどのような対応をすべきかについて社会保険労務士が解説します。
日本アムウェイ社の取引停止につながったのは、同社の会員がネットワークビジネスに入会させる目的を隠して商品購入や会員登録を勧誘したことが原因です。ネズミ講などと揶揄されることもあるものの、ネットワークビジネスは合法。会員が他人に商品購入や加入を勧めても問題はありませんが、商談前にネットワークビジネスの会員である事実や購入・勧誘のためという目的を伝えなくてはいけません。
なお、ネットワークビジネスとマルチ商法は、呼び方が違うだけで内容は同じです(本記事ではマルチ商法で統一)。法律では「連鎖販売取引」と呼ばれるマルチ商法は、会員の数を連鎖的に増やしていくことにより、組織と利益を拡大していくというビジネスモデルです。
マルチ商法を始める人が最初に勧誘するのは友人や知人、会社の同僚などである可能性が高いでしょう。しかし、ネットワークビジネスであることを電話やメールで告げると警戒され、音信普通になることが多いため、「久しぶりに会いたい」などと目的を隠して、連絡する人もいます。
昔、憧れていた異性から連絡がありよろこんで出かけたら、マルチ商法の勧誘だったという苦い経験がある人もいるかもしれません。婚活のためのマッチングアプリなどを利用して勧誘する人もいます。SNSでもマルチ商法に関する話題を目にする機会も増えました。
こう見ると、マルチ商法は合法ビジネスとして今まで黙認されてきたような気がします。なぜ今回のタイミングで、このような厳しい処分が下されたのでしょうか?
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