価格維持のための“内向き”戦略だけでなく、新たな成長へ向けた“外向き”の戦略にも抜かりがない。キーワードは「和風」だ。22年のクリスマス商戦では、和風のケーキ「Xmas和三盆とほうじ茶のデコレーション」(11センチ・2700円)を投入する。
これまでもクリスマス向けに和風ケーキを投入したことはあったが、登場するのは「かなり久しぶり」(担当者)。背景には、ここ1〜2年で来店が増えたというシニア層の存在が大きい。感染拡大の一服と合わせて、若年層の移動が活発になったことも影響していそうだ。
より活動的な若年層にとって、外出制限が緩和されれば遠出が増え、郊外の出店が多く、日常の延長で利用されることが多いシャトレーゼからは足が遠のく。一方で、より身近で楽しみたいと考えるシニア層の来店が増えた影響もあってか、同社によると、和菓子類の売り上げは1店舗当たり120%ほど伸長中とのこと。新たに投入する和風ケーキは、小食のシニアでも楽しめるよう、やや小さめのサイズとなっており、今後の新たな顧客層での成長に向けた試金石となりそうだ。
内に外にとさまざまな施策を繰り広げるシャトレーゼ。価格維持をどこまで続けられるのか、そして新たな顧客の取り込みの成否やいかに。
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