“ノック音”を66%も減らした! ぺんてる「Calme」の開発秘話 あの会社のこの商品(4/6 ページ)

» 2022年11月17日 08時00分 公開
[大澤裕司ITmedia]

業者を探して実現した革シボ加工

 Calmeのデザインでアクセントになっているのが、革調のロンググリップ。質感を上げると同時に、持ったときに手になじみやすくするために採用した。ボールペンで普通に使われているエラストマーという素材に革シボ加工を施している。

エラストマーにシボ加工を施してつくった革調ロンググリップ

 最初はより軟質のエラストマー素材に革シボ加工を施したが、グリップ力が強すぎ、ペンをうまく動かせなかった。革シボ加工はそのままに、ゴムの硬度をいくつか変えて試作したところ、十分な質感が得られる上に適度なグリップ力が得られることが分かり変更した。

 筆記具で革シボ加工を使うのは珍しいが、慣れないこともありモックアップをつくる加工会社ではシボ加工ができなかった。そのため、中沢氏が加工可能な業者を探した。

 業者を探す中で、一眼レフカメラのデザインモックアップをつくる会社に行き着く。その会社からの紹介で、金型にエッチング処理(腐食作用のある薬品を利用して表面の一部を削り目的の形状を得る加工法)を行う会社にモックアップづくりから協力してもらい実現した。

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