「20歳以上ですか?」――。
コンビニでアルコール飲料を購入する場合、上記のような文言が表示され、「はい」か「いいえ」を押さなければいけない。店員が見て「この人、怪しいなあ。未成年では?」となれば、身分証明書を求められる。
おじさんの中には、定型文が表示されるたびに「はい、はい、押せばいいんでしょ、押せば」と思っている人がいるかもしれないし、童顔の人の中には「幼く見られるのは仕方がないけれど、いちいち身分証明書を出すのは面倒だな」と感じている人がいるかもしれない。
このようなやりとりがなくなるだけでなく、店のスタッフがいなくなるかもしれない。そんな動きがあることをご存じだろうか。九州を本拠に置くスーパー「トライアル」(運営:トライアルカンパニー)がAIカメラを活用して、「24時間顔認証決済」(以下、顔認証)を始めているのだ。
「トライアル? そーいえば、先進的なことをよくやっているスーパーだったかな?」と思われたかもしれないが、その通りである。買い物をしたことがある人であればご存じだと思うが、トライアルの大型店には「リテールAIカメラ」や「スマートショッピングカート」などがある。
リテールAIカメラの主な機能として、「欠品検知」がある。スーパーの店内にはたくさんの商品が並んでいることもあって、例えば、キャベツひとつとっても「いつ、どのタイミングで、どのようなペースで商品が売れたのか」を正確に把握することは困難だった。野菜売り場でずーっとスタッフが張りつくことはコスト的に難しかったわけだが、カメラから取得するデータを分析すれば、陳列数などを適正化できるので「欠品が起こりにくい」と言われている。
スマートショッピングカートの特徴は、カートにタブレット端末とスキャナーが搭載されていること。パンや牛乳をカゴの中に入れているときでも合計金額が分かって、レジに並ばなくても会計を済ませることできる。スマートショッピングカートを導入している店舗は89店舗で、利用している人は月に180万人ほどいるそうで(8月末時点)。
というわけで、トライアルは流通業界を何度も「あっ」と言わせてきたわけだが、またまた「あっ」と言わせるほどの取り組みを始めたのだ。
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