女性社長率、過去最高8.2%も低迷 比率トップは「沖縄」「徳島」 最下位は?帝国データバンクが調査

» 2022年11月23日 08時00分 公開
[ITmedia]

仕事に役立つ調査データ:

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 帝国データバンクは、全国約119万社を対象に女性が社長(代表)を務める企業について分析した。女性社長比率は8.2%となり、統計が遡れる1990年以降で過去最高を記録したが、依然として1桁台と低水準が続いている現状が浮き彫りになった。

帝国データバンクは女性が社長を務める企業について分析した。画像はイメージ(ゲッティイメージズ)

 同調査は21年5月に続き9回目。女性社長比率は、90年当時は4.5%だったが、2000年には5.6%、10年に6.8%と年々緩やかに上昇傾向で推移。20年には8%台となり、22年調査では前年から0.1ポイント上昇した。

女性社長(1990〜2022年、プレスリリースより、以下同)

 女性社長比率を業種別にみると、「不動産」が17.2%で最も高い割合となった。次いで「サービス」(11.1%)、「小売」(10.8%)など、消費者向けの「BtoC」業態が中心となっている業種が続き、全体の8.2%を上回った。

 「建設」は4年連続横ばいの4.8%で低水準が続いており、26年連続で最も低い割合を記録した。

業種別にみた女性社長比率の推移

 都道府県別では「沖縄県」が11.6%で最も高く、10年連続トップ。以前から女性の活躍が目立つ「徳島県」が同率で並び、18年ぶりのトップになった。その他、「青森県」「佐賀県」「奈良県」など、10%を上回ったのは6地域だった。

 一方で、「岐阜県」は5.8%(1030人/17859人)と13年連続の最下位。女性社長割合が低い製造業が多く集まる中部地方では、全体的に低位な傾向にあるという。

都道府県別でみた女性社長比率

 女性社長の出身大学別では、「日本大学」が前年比23人増の269人で3年連続で最多となった。次いで「慶應義塾大学」(245人、同4人増)、「早稲田大学」(231人、同5人増)と続き、3大学それぞれ200人を超えた。

出身大学別の女性社長数上位

 帝国データバンクは「“過去最高ながらも低水準”という傾向は今後も続くとみられる」と指摘。「従前から叫ばれている子育て支援の充実や家事の負担軽減など、女性が活躍できる環境作りが第一歩となる」としている。

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