職場に労働組合があるかどうかはあまり関係ありません。「春闘」ではなく「春季労使交渉」と呼ぼうとする経団連の意に反して、未だに「春闘」という名称が一般的です。しかし実際のところ、「闘争」と呼ぶべき状況ではありません。
「春闘」の達成率(妥結額÷要求額)は1970年代から現在まで、ほぼ50〜60%の間で推移してきました。これでは要求が軽視されてきたと言われても仕方がありません。
図3は法人企業統計による経常利益と従業員給与の関係を、ともに90年の値を100として指数化したものです。賃金はほとんど上がっていない一方で、経常利益は2倍以上に増えています。
しかし労働組合が反発している様子は見られません。労働争議(ストライキ、ピケッティング、サボタージュなど)の件数は74年がピークであり、近年はこの3%弱まで減っています。半日以上のストライキは全国で年間30件前後しか起こっておらず、ほぼないに等しい状況です。日本は労働損失(半日以上のストライキによって失われた、労働投入量の減少)が、より人口が少ないイギリスやドイツ、フランス、韓国などに比べて10分の1から1000分の1にすぎません。
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