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給与の高い会社、低い会社を分ける「4つの要素」 結局、経営者の腕なのか?ダメ経営者は分かっていない(2/4 ページ)

» 2022年11月28日 05時00分 公開
[神田靖美ITmedia]

要素(3)賃金は労働装備率に依存する

 第3の要素は労働装備率です。労働装備率は従業員一人当たりの機械設備やIT機器が多いか少ないかを示す指標で、「有形固定資産額÷従業員数」という式で求めます。

 労働経済学は、賃金は労働装備率と労働の限界生産物(1人1時間の労働を追加的に投入した場合、生産量がどれだけ増えるか)で決まると教えています。経済学の理論には現実に当てはまらないものもありますが、図1は財務省の『法人企業統計調査』をもとにした労働装備率と賃金の関係です。両者には相関(一方の値が大きいものほど、もう一方の値も大きい傾向)がみられ、理論が示唆する通りになっています。

photo 図1:資本金規模別労働装備率と賃金(2021年)(財務省『法人企業統計調査』より筆者作成)

要素(4)産業の労働生産性

 第4の要素は、生産性が高い産業に属するかどうかです。図2は財務省の「法人企業統計調査」による、産業別の労働生産性と年間賃金の関係を見たものです。こちらも両者の間には明確な相関が見られます。

 参考までに一番右にある点、つまり一番労働生産性が高い産業は「石油製品・石炭製品製造業」、一番上にある点、つまり一人当たり給与賞与が一番高い産業は「電気業」です。

photo 図2:産業別の労働生産性と賃金(2021年)(財務省『法人企業統計調査』より筆者作成)

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