ドラッガーやバフェットも重視した──炎上から会社を守るのに大切な「考え」とは「炎上」の正しい回避法(3)(2/3 ページ)

» 2022年12月06日 07時00分 公開
[新田龍ITmedia]
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ドラッガーやバフェットが重視した「インテグリティ」

 実際「人として配慮すべきルール」の要素として挙げたうちの1つ「誠実さ」については、近年ビジネスシーンにおける重要度も日々増している。

「誠実さ」の重要度が増している(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 主に欧米企業で、経営方針や社員が持つべき価値観として頻繁に使われるようになった「インテグリティ(integrity)」という用語があるが、これはまさに「誠実」「真摯」「高潔」といった概念を意味する言葉だ。近年では特に、組織を率いるリーダーやマネジメント層に求められる重要な資質と認識されている。

 「マネジメントの父」と称されるピーター・ドラッカー氏は、「インテグリティこそが組織のリーダーやマネジメントを担う人材にとって決定的に重要な資質である」と述べている。

 「世界一の投資家」といわれるウォーレン・バフェット氏も、人を雇うときに求める3つの資質に「インテグリティ」「知性」「活力」を挙げているほどだ。

 企業において「誠実さ」は、健全な組織を運営し、公正なビジネスによって成果を上げるために欠かせない要素である以上、誠実であることを行動規範として明確に示しておく必要があるだろう。

 普段どれほど高潔な理念を掲げていても、たった1人の社員が起こした不祥事がネット上で拡散され、ニュースになり、組織全体の社会的信用もガタ落ちし、組織の存続危機にまで至ってしまう例は少なくない。コンプライアンスは組織の命運そのものを左右するほど重要なものなのだ。

 組織としてコンプライアンス違反を起こさないためには、もちろん構成メンバー個々人が法律や組織内ルール、倫理的規範を意識して日々の業務を遂行していくことが求められるが、それだけでは不十分だ。

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