ドラッガーやバフェットも重視した──炎上から会社を守るのに大切な「考え」とは「炎上」の正しい回避法(3)(3/3 ページ)

» 2022年12月06日 07時00分 公開
[新田龍ITmedia]
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具体的にすべきことは

 要点は、「組織としてコンプライアンスを徹底する」と決め、経営陣と上層部が日々、情報発信と行動で体現していくことである。

 そのために具体的に起こすべきアクションは次の通りだ。

具体的にすべきことは(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)
  • 組織内ルールを規定し、組織内メンバー全員に共有する。

  • ルールとコンプライアンスにまつわる研修を実施する。

  • 「不祥事や事故を起こしてはならない」ではなく、「いつでも不祥事や事故は起こり得るので、小さな違和感に気付き、『芽』の段階で未然に対処できるようにしよう」という雰囲気を醸成する。

  • 問題が発覚した際は、担当者個人の責任に帰するのではなく、「芽」を生じさせた環境や風土を検証し、対策する。

  • 普段からコンプライアンスを共通言語としてコミュニケーションをとり、知識というより「当たり前の一般常識」として、メンバー全員の意識をアップデートしていく。

コンプライアンスは「攻めの経営戦略」だ

 これまでは特にベンチャーやスタートアップといった新興成長企業において、強みといえば圧倒的なスピードであり、ガバナンスやコンプライアンスという概念は意思決定を遅らせ、彼らの強みを打ち消すものかのように捉えられてきた。

 しかし、昨今の動きを見る限り、従前の認識を改める必要がありそうだ。

 ガバナンスやコンプライアンスをないがしろにすると、いずれどこかのタイミングでほころびが露呈し、致命的なインパクトを与えるリスクがある。逆にスタートアップ段階からコンプライアンス体制を整えることは、十分なメリットを見込める「攻めの経営戦略」でもあるともいえるだろう。

著者プロフィール・新田龍(にったりょう)

働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役/ブラック企業アナリスト

早稲田大学卒業後、複数の上場企業で事業企画、営業管理職、コンサルタント、人事採用担当職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所株式会社設立。労働環境改善による企業価値向上のコンサルティングと、ブラック企業/ブラック社員にまつわるトラブル解決サポート、レピュテーション改善支援を手掛ける。またTV、新聞など各種メディアでもコメント。

著書に『ワタミの失敗〜「善意の会社」がブラック企業と呼ばれた構造』(KADOKAWA)、『問題社員の正しい辞めさせ方』(リチェンジ)他多数。最新刊『クラウゼヴィッツの「戦争論」に学ぶビジネスの戦略』(青春出版社)

12月1日に新刊『炎上回避マニュアル』(徳間書店)を発売。


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