西武池袋駅上が「ヨドバシカメラ」に? 西武HDの苦悩とは街づくりも鉄道の仕事(1/4 ページ)

» 2022年12月13日 08時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、そごう・西武を売却する。2023年2月には、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが同百貨店グループを買収するようだ。

 この投資ファンドはヨドバシホールディングス(HD)と手を組んでおり、ファンド側はテナント導入でそごう・西武を再建したい意向を示している。

 投資ファンドとヨドバシHDは、西武池袋本店やそごう横浜店など、駅に近接した立地の百貨店の収益性を高めるよう、商業施設としての充実を図る狙いだ。その中で、百貨店施設内にヨドバシカメラが入る計画を立てている。

西武池袋本店(画像提供:ゲッティイメージズ)

 利用者が多く集まる駅の近くに収益力の高いテナント、特に家電量販店を誘致し、百貨店をより利益のあるものにする、というのが投資ファンドの戦略である。

 もともと、セブン&アイHDでうまく生かしきれなかった百貨店事業であり、全国的に百貨店ビジネスが厳しい状況にある中、売却されるのは仕方がない側面もあった。セブン&アイHDはコンビニエンスストアやスーパーなど、生活密着型の事業を得意としており、近年ではセブン銀行がコンビニ事業とシナジー効果を高め、グループの発展に大きく寄与している。

 そんな中で、百貨店はセブン&アイHDにとってシンボル的な存在さえいらないとなるのは仕方がないのかもしれない。ヨドバシHDおよびセブン&アイHDの戦略、それぞれの意向がマッチして、そごう・西武の売却が決まった。

 だがそこで、企業戦略上、困ったことになっているグループがある。西武鉄道などを傘下に持つ、西武ホールディングス(HD)である。

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