冷え対策グッズ「まるでこたつソックス」、厳冬で“バカ売れ”中 売上増の意外な要因とは公式ストアは完売(1/2 ページ)

» 2022年12月22日 06時30分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 日本各地で厳しい寒さが続く中、岡本(大阪市)が販売する機能靴下「靴下サプリ まるでこたつソックス」(こたつソックス)の売り上げが好調だ。足先の冷え対策商品としてSNSやテレビに取り上げられ話題となり、公式オンラインストアでの販売分はすでに完売(記事公開時点)。「楽天市場」「Amazon.co.jp」などのECサイトでも品薄となっている。同社広報によると、売り上げ増加には機能性以外の要因もあるという。詳細を聞いた。

photo 「靴下サプリ まるでこたつソックス」

「魔法瓶のような保温性」 創業88年企業の“あったか靴下”

 こたつソックスを手掛けるのは、レッグウェア製造卸販売大手の岡本。1934年創業の老舗企業で、紳士用靴下や婦人向けのタイツを中心に、靴下の売上高では国内トップ(8月3日付けの繊研新聞調べ)を誇る。

photo 奈良県内にある岡本の本店(出典:同社公式Webサイト)

 商品名の通り、一度着用すると、まるでこたつに入っているかのように感じる温かさが大きな特徴。足先から全身を包み込むような温かさを生み出すことから、15年の発売以来、利用者からは「カイロ入ってる?」「冷え性の救世主!」などの声が続出し、Twitterを中心に話題となるとともに冷え性に悩む女性を中心にプレゼントとしても人気に。21年は完売を繰り返し、最終的に前年比6倍の売り上げを記録した。

photo こたつに入っているかのように感じる温かさが大きな特徴
photo プレゼントとしても人気

 最近もSNSでその機能性が注目を集めた。漫画家・イラストレーターのいしかわひろこさん(@kumainunews)は、自身の公式Twitterアカウントで公開した作品で「魔法瓶見たいでマジですごい。湯たんぽやヒーターの出動回数が減った」と紹介し、同製品を絶賛した。

 同社広報に聞くと、前年の好評を受け、全国放送でのテレビCMを放送。PRを強化し、生産数も増やしたものの、公式オンラインストアでは既に完売したという。店舗や販売サイトも「品切れの可能性がある」とするほどの売れ行きだ。

photo 公式オンラインストアでは軒並み売り切れに

 販売好調の一因として例年とは異なる傾向もあるという。今年の激しい寒暖差と厳しい寒さだ。通常は11月から12月に販売のピークを迎えるが、今年に限っては8月下旬から寒さが一時的に到来。その後、暑さが戻ったものの「前年に購入できなかった」としてピーク前に購入する動きが広がった。

 ウクライナ戦争などに起因するエネルギー需要の増加で、電力各社が電気代を値上げする中、経済産業省(資源エネルギー庁)が5月に発表した「23年2月に過去10年で最も厳しい電力需給が到来する」との予測通り、12月以降は各地で厳しい寒さが続き、寒さ対策の商品として爆発的なニーズを生んだ。

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