リテール大革命

NTT東日本の「売店」を大改造! データを分析したら、どうなったのか「実証実験」の結果(3/4 ページ)

» 2022年12月24日 08時30分 公開
[土肥義則ITmedia]

売り上げも利益も伸びて

 AIカメラのデータを分析することで、機会ロスを減少した。サイネージを導入することで、新商品の売り上げを伸ばした。従来の売店からスマートストアに生まれ変わって、どのような効果があったのだろうか。

 変身前の売り上げを見ると、2020年3月時点で「268万円」(日販13.4万円)。変身後の売り上げは、22年3月時点で「385万円」(同16.3万円)に。ざっと「1.4倍」も増えたのだ。利益率を見ると、以前はー10%だったのに対し、変身後は9%の黒字を確保した。

スマートストアの効果

 業績がよくなった背景に、大きな理由が2つある。スタッフの数を3人から1人に減らすことで、効率化を進めたこと。もう1つは、営業時間を延長したこと。以前は午前8時30分〜午後4時までだったが、ストア後は午前8時30分から午後9時まで営業しているのだ。

 「会社の売店」ということもあって、「売り上げをどんどん伸ばして、なにがなんでも店を成長させなければいけない」といった鼻息の荒さは不要である。福利厚生の側面があるので、利益をどんどん伸ばす必要はないかもしれないが、赤字が続くことは避けなければいけない。

スマートストアの店内

 しかし、新型コロナの感染が広がって、売り上げが落ちていく。赤字の沼にハマっても、従業員のことを考えれば、すぐに「撤退」するわけにもいかない。そこでどんな手を打ったのか。1つは営業時間を短くして、もう1つはスタッフの数を減らしたのだ。

 以前、スタッフは6人いたが、営業時間を短くして3人で回すことに。しかし、営業時間を短くしたことで、売り上げが減少した。午後4時までの営業だったので「お腹が空いたなあ。晩ご飯の前に、ちょっとお菓子でも買うか」といった需要を逃していたのだ。

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