64.6万円、52.6万円、51.8万円――。
「なんだよ、いきなり数字を並べやがって」と思われたかもしれないが、コンビニの関係者であればピーンときたかもしれない。1店舗当たりの1日の売り上げのことで、「日販」と呼ばれている。当然、この数字は大きければ大きいほどいいわけで、先ほど紹介した数字は左から、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの“成績”である。
大手のコンビニオーナーであれば、日販は50万円を超えたいところ。都会の店舗であれば家賃や人件費などを考えると、このくらいの数字がなければ安定的に運営することが難しいわけだが、「3万〜30万円」でも十分にやっていけるというビジネスモデルが登場した。
NTTグループのテルウェル東日本(東京都渋谷区)がそのことを証明したのである。NTT東日本の本社ビル内に昔ながらの売店があって、そこを「スマートストア」と名付け、大改造したのだ。
利用するのは簡単である。スマートフォンの専用アプリでQRコードを表示して、それをゲートにかざして入店する。「パンを買いたいなあ」と思えば、購入する商品のバーコードをアプリで読み込み、セルフレジでキャッシュレス決済をすればいいだけ。あとは店をそのまま出ても、警備員から「ちょ、ちょっと、そこの君ぃ〜」と声をかけられることもない。
店の天井に目を向けると、AIカメラがズラリと取り付けられていて、お客の行動を分析している。データを見ながら「どんな商品を並べればいいのか」「来週はこんなモノが売れるかも」といった予測などに役立てているようだ。
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