11年の豪雨被害で鉄橋が流され一部区間が不通になる。JR東日本はバス転換を提案するも、沿線自治体と福島県が「地域の観光需要喚起のために必要」と判断し、上下分離、JR東日本の負担を最小にして復旧を決断。「全列車が満員でも赤字」という状況にもかかわらず支援している。22年10月に復旧し、紅葉シーズンの休日は増便、増結が必要なほどにぎわった。鉄道で地域を楽しく、という方向性だ。
JR西日本の路線別平均通過人員で最下位が大糸線。次が木次線。沿線自治体は09年から観光列車「奥出雲おろち号」の費用を負担している。16年に前身の簸上(ひかみ)鉄道から開業100周年、翌年の全通90周年ごろから活性化の気運が高まり、利用促進協議会や自治体の観光部署、住民団体によるイベント、観光PRを実施。「地域に必要になること」だけではなく、「観光集客によってJR西日本の集客に貢献すること」などを目指す。予断を許さない状況ではあるが、JR西日本と連携を深めており、廃線論議は起きていない。
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