リテール大革命

「有明ガーデン」で客はどのように動いているのか スマホの電波から分かってきたこと水曜日に「へえ」な話(2/4 ページ)

» 2023年01月11日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

相乗効果はあった!

 22年4月15日〜5月1日に「ARIAKE親子キャンプFESTA」を予定していて、そのイベントに参加した人のうちどのくらいの人がモールに足を運んでいるのか。また、イベント内容と関連の強いアウトドアグッズを販売している店にどのくらいの人が訪れているのか。この疑問を解決するために人流解析したところ、どのようなことが分かってきたのだろうか。

22年4月15日〜5月1日に実施した「ARIAKE親子キャンプFESTA」

 キャンプFESTAの当日はアウトドアのグッズを販売したり、体験イベントをしたり。さまざまなデータを分析していく中で、気になった数字が浮かんできた。モールの3階には、アウトドアグッズを販売しているショップが店を構えていて、イベントに参加した人たちの動きが違っていたのである。

キャンプFESTAなどのイベントを実施する「有明ガーデンパーク」

 数字を分析してみると、イベントに参加しなかった人で3階に行った人は32.9%、そのうちアウトドアのショップを訪れたのは11.7%という結果が出た。一方、イベントに参加した人たちはどうだったのか。参加者の42.9%は3階に行って、そのうち88.8%はショップを訪れていることが分かってきたのである。

 イベント参加者の4割近くは、アウトドアグッズを販売している店に足を運んでいることから、関連するイベントを実施することでテナントへの誘導効果があることが証明された。この結果を受けて、住友不動産商業マネジメントの坂巻裕太さんは「これまでなんとなくの印象しかなかったのですが、イベントを実施することで、特定店舗への集客効果があることが分かってきました。今後、さまざまなイベントを実施して、相乗効果を図っていきたいですね」と話した。

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