言葉のトーンや色合いを意識し、それぞれ練習場のオーナーが掲示したいものを自由に選べるようにした。
「オーナーによっては、あまり強い表現のものを掲示したくない場合もある」(千代会長)
ポスターの掲示自体も練習場が自由に決められるようにした。
「ポスターで注意喚起した結果、苦情はほとんど聞かなくなった」と千代会長は振り返る。
ポスター掲示後も、「自分から『教えてほしい』と頼んだと言え」と女性客に迫り、無理やり教えようとする悪質な事例も一部あったというが、苦情の数は大幅に減少した。
ポスターはSNSにも投稿され注目を集めた。「教え魔に悩んでいる人がいる状況が広く知られることになり、作成の効果があった」と千代会長は話す。
初心者が教え魔の被害に遭わないために、できることはあるのか。
千代会長は「初心者の方は、フロントで初めてであることを伝え、グリップの握り方など基本的なルールについて、プロのインストラクターの指導を受けてほしい」と話す。
我流では手首を痛めたり、事故につながる恐れもあるためだ。
公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟が21年3月に実施したゴルフ練習場に関するアンケート(経験者600人が回答)。「練習場で嫌な思いをしたことがあるか」との質問に、19.6%が「ある」と回答。具体的には「打席トラブル」(30件)、「スタッフへの不満」(24件)、「たばこのにおい」(23件)、「待ち時間」(11件)、「教え魔」(8件)――と続いた。
コロナ禍を経て活況を見せるゴルフ市場。新たに始めたプレーヤー層を根付かせるため、練習場は快適な練習環境を整えようと、さまざまな取り組みを続けている。
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