昨今、何かと話題に上る「教えたがりおじさん」や「教え魔」というキーワード。頼んでいないのに、手取り足取り教える人を指し、ボウリング場やスポーツジム、キャンプ場など、さまざまな場所に現れるようだ。とりわけ話題に上るのが、ビジネスパーソンの愛好家も多いゴルフ場での被害。静岡県のゴルフ練習場では、コロナ禍に目立った「教え魔」被害を食い止めようと、ある対策を実施した。その内容とは――。
「コロナ禍で新たにゴルフを始めた女性客をねらった『教え魔』の被害報告が相次いだ」
こう話すのは、静岡県ゴルフ練習場協会の千代和年会長だ。
ゴルフは「密」を避けて体を動かせるスポーツの一つで、コロナ禍で新たに始める人が増えた。市場調査会社の矢野経済研究所によると、2021年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー売上高ベース)は、前年比19.4%増の2763億3000万円。
特に伸びが著しいのがゴルフクラブセット販売数量で、21年は前年比48.3%増、19年比で64.6%増。とりわけ女性用のクラブセットの販売伸長率が高いのが特徴だという。
「新たに始めた女性客は密を避け、1人で楽しもうと来ているのに、古株の客が『うまいところを見せたい』との思いからか声をかけるケースが見られた」(千代会長)
その後、女性客から苦情が寄せられ、「目に余る」として練習場のオーナーから「何か対策はできないか」と協会に相談が入ったという。
そこで協会が考えたのが、ポスターを活用した注意喚起だった。以前、同様の「教え魔」被害が相次いだボウリング業界がポスターを活用した周知に取り組んでおり、これに習ったという。
ポスターはきつく警告するものから、イラストを用いて柔らかく注意を促すものまで、全12種類を作成した。
「親切心が仇(あだ)となります」
「レッスンは当練習場所属のプロにご用命ください」
「アマチュアゴルファー レッスン禁止」
「教え魔 お断りします!」
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