こうした原因論的アプローチと違い、目的論的アプローチと呼ばれるものがあります。有名なアドラー心理学で言われていることですが、「すべての行動は自らが叶えたい目的のためであり、現在の状態をつくっているのは自分だ」という考え方です。
ですから、逆説的な言い方にはなりますが、「何もできなかった」というのは、どこかで「できなくても良い」という目的のために起きたことだということです。実は「やりたいと思ったけれどもなかなか行動できない」ことを心のどこかで、望んでいたということにほかなりません。残念ながら、現在の自分の姿というのは、これまで自分が選択してきた結果なのです。
つまり、目的に反してできなかったということではなく、「やらない」ことを目的にしてきた結果、現在の結果になっているわけです。
ですから、「このためにこれを行うのだ」「私はこうありたい」という強い目的意識を持つことが必要であり、目的が明確になれば、自ずと人は手段を考えて行動するということです。「できなかった」ことに原因を探っている状況のときにも「やりたいこと」はあったかもしれませんが、明確化が不十分だったと言えるでしょう。
「こうなりたい」「これをしたい」という目的が鮮明になれば、仮に別の仕事が邪魔をしてできなかった場合でも、「こういうやり方もできるかもしれない」というように選択肢を広げることにもつながります。
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