気候変動対策の最先端を走り続ける北欧・バルト諸国――。地理的・環境的要因からデジタル活用が活発で、BNPLやオンラインKYCなどさまざまなイノベーションを生んできた。そんな地域で気候変動対策×デジタルのネクストイノベーションとして話題になっているのが、脱炭素への貢献と消費者や企業のファイナンス活動を結びつける“Climate Fintech”だ。北欧・バルト地域を中心に投資活動を行うNordicNinja VCのパートナー宗原智策がClimate Fintechの最先端を紹介する。
日本政府は2021年に発表した「地球温暖化対策計画」にて、家庭部門におけるGHG排出量を30年までに13年比で66%削減する目標を掲げました。その発表の際に政府は「国民の意識改革が必要」と強調しました。世界全体で気候変動が深刻さを増す中、日本は環境意識が低いという論調がメディアでも目立っていますが、日本の意識は欧米と比べて本当に低いのでしょうか。
昨年、旭硝子財団が日本を含む世界の25カ国の計1万人以上に「環境問題の意識や行動が進んでいると思う国」を聞いたところ、日本が1位となりました。またGlobal Advisorの欧米諸国を含む29カ国を対象に「あなたの国が現在直面する重要な問題は?」と尋ねたところ、「気候変動」と回答した割合が最も多かったのも日本でした。
もちろん、これだけで日本人の気候変動に対する意識が世界でも高いと言うつもりはありません。ただ、環境意識の低さばかりを取り上げるのではなく、日常生活で何をすれば良いのかが分からない、もしくは気候変動対策につながる行動が日常生活に少ないのではと視点を変えてみるのはどうでしょうか。
本記事では、日常の消費における選択や行動を気候変動対策に結びつける「仕掛け」を作っている北欧のスタートアップを紹介したいと思います。21年に博報堂や三井物産と提携した、Climate Fintech分野における注目株です。
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