徳重: なぜディストラクティブ(破壊的)に変えられる経営者が現れないんでしょうか。
冨山: 日本社会の空気として、終身雇用制で65歳まで面倒を見るのが正しいと考える部分があります。
一方で、世界では、常に新陳代謝をするのが主流の働き方です。多くの日本企業はコツコツとオペレーショナルな組織づくりをしてきたので、変えるには相当なハードルの高さがありますが、人の処遇についてはあらためて検討する必要があると思います。
フレキシブルな労働市場でやってきたアメリカでさえ、既存企業の変容は難しいです。結局イノベーションの主流はGEなどの大企業からGAFAが取って代わったという構造です。日本には相当なイノベータージレンマがありますね。
徳重: 僕らもベンチャー企業からメガベンチャーにならないといけないし、少なくとも志を持ってチャレンジを継続しないといけないですよね
冨山: VCについても日本はおおむねドメスティックなんですよ。世界でGDPが3番目に大きい国なので、企業もVCももうちょっと新陳代謝をよくしないと厳しいですよね。
ここまでの記事前編で、劇的に変容を続けるグローバルな環境における日本のスタートアップの課題や可能性について話した両者。日本社会全体を取り巻く環境が、スタートアップの成長の足かせとなっている姿も浮かび上がった。後編では、スタートアップの人材・組織経営のあるべき姿を探り、グローバルな環境を戦い抜く方法について対談する。
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