地方移住のハードル 「移住費用」「家族の同意」を上回る1位は?社会人900人に聞いた

» 2023年02月14日 06時00分 公開
[ITmedia]

仕事に役立つ調査データ:

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 キャリア調査機関「Job総研」を運営するライボ(東京都渋谷区)は、社会人約900人を対象に地方移住に関する意識調査を実施した。地方移住に対する興味について尋ねると、59.8%が「興味あり」と回答。一方で、移住費用や環境変化への抵抗が地方移住のハードルになっていることも分かった。

ライボは社会人約900人を対象に地方移住に関する意識調査を実施した(ゲッティイメージズ)

 地方移住に対する興味について、「とても興味がある」17.8%、「興味がある」17.6%、「どちらかといえば興味がある」24.4%を合算した59.8%が「興味あり」と回答をした。

 「興味あり」と答えた割合を年代別にみると、30代が63.1%で最多。次いで40代が62.6%、20代と50代が同率で57.1%となった。「とても興味がある」の回答は、50代の20.2%が最多となった。

地方移住ワークに対する意識(プレスリリースより、以下同)

 「興味あり」と回答した522人に理由を聞くと「首都圏よりも居住費が安い」(61.1%)が最多。次いで「転職をせずに地方へ引っ越しができる」(55.0%)、「自然の中で生活できる」(41.0%)となった。

地方移住ワークに興味がある理由

 これまで地方移住を検討した経験があるか聞くと、「経験あり」が22.3%、「経験なし」が77.7%だった。今後検討する可能性があるかについては「あり」と回答した人が44.7%だった(「とてもある」10.0%、「ある」10.2%、「どちらかといえばある」24.5%を合算)。

地方移住の検討について

地方移住のハードルは?

 地方移住を検討する上でハードルになっていることを聞くと、「環境が変化することへの抵抗」が35.9%で最多。次いで「移住にかかる費用」(35.2%)、「地方での生活がイメージできない」(30.8%)、「家族の仕事の関係」(27.3%)、「家族の同意」(25.1%)と続いた。

地方移住ワークのハードル

 地方移住に対して自由回答を求めたところ、肯定派からは「期間限定で地方で仕事するお試しなどがあると検討しやすくなる」「転職が当たり前の時代にあわせて企業でも移住ワークの理解が進めば良い」などの声が挙がった。

 他方で、否定派からは「環境が大きく変わることに対するストレスや不安があり気乗りしない」「都会の利便性になれてしまうと地方暮らしは想像できない」などの意見が寄せられた。

 政府は、東京圏からの地方移住者を2027年度までに年間1万人に増やす目標を掲げ、支援金を増加するなどして東京一極集中を回避しようと動く。一方、総務省が1月に公表した22年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、東京都は転入者数が転出者数を上回る「転入超過」が3万8023人となり、3年ぶりに拡大している。

 調査は全国の20〜50代の社会人男女874人を対象に、1月20〜23日にインターネットで実施した。

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