コンビニの棚を見ると、よく似た商品が並んでいる。スイーツであったり、おにぎりであったり、サンドイッチであったり。例えば、A社がこれまでになかった具を使って、サンドイッチをつくったとしよう。それがヒットすれば、数カ月後には他社で同じような商品が並んでいることもある。
「競争」「トレンド」「売り上げ」などを考えると、こうした動きになることは仕方がないのかもしれない。その一方で、10年ほど前から人気を集めているのに、他社が追随しない商品がある。ローソンストア100の「100円おせち」だ。
2012年に発売したところ、あれよあれよという間に売れていって、昨年は300万食を突破。累計で1500万食も売れているのだ。とはいえ、まだ買ったこともなければ、食べたこともない人もいるはずなので、簡単に紹介しよう。
100円おせちの最大の特徴は、1品を100円(税別)で販売していることだ。定番の「蒲鉾」「栗きんとん」「黒豆」のほかに、昨年は「酢だこ」「里いも煮」などを追加して、過去最高の45種を用意した。
売れている要因は2つあって、1つは百貨店などで販売している「おせち」の価格が高いことが挙げられる。「2万円」「3万円」の値札が当たり前のように付いている中で、ローソンストア100のおせちは「100円×個数」である。「おせちにお金を使うよりも、そのぶんをカニや牛肉に使いたいんだよね」といった人の気持ちをつかんでいるようだ。
もう1つは、核家族化が進んでいることが挙げられる。2人または単身で暮らす人にとって、重箱にたくさん詰められたおせちは多過ぎるようで。「全部食べられないから」「捨てるのはもったいないよ」という人たちにとって、「ちょうどいい」ニーズを満たしているようである。
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