3つめは「物流を見直したこと」である。従来は、A社、B社、C社がそれぞれ配送センターに商品を届けて、各店舗に届けるという仕組みだった。しかし、この方法の場合、トラックは配送を終えると、帰りの便は空になる。「空気を運ぶのは、もったいない」ということで、昨年はトラックが各工場を回って商品をピックアップして、配送センターに戻るという形に変えたのだ
また、海外からの輸送も、国内の物流と同じように見直した。従来は海外メーカーがそれぞれコンテナに積み込んで、それを船で運んでいた。しかし、昨年からはローソンストア100が手配したコンテナにすべて集めて、それを日本に。結果、輸送費のコストを抑えられたという。
ふむふむ。たくさんの商品がどんどん値上がりしているのに、100円に抑えている秘密は理解できた。1円でも2円でも……いや、ひょっとしたら10銭、20銭の利益を計上するために、あの手・この手を使って、価格を維持しているのかもしれない。
しかし、である。ちょっと先の話になるが、今年の「100円おせちは値上げするのか」問題が気になってくる。まだ決まっていないそうだが、4つのパターンが考えられる。(1)一律に値上げ(2)一部の商品を値上げ、一部の商品は据え置き(3)値上げをして容量を増やす(4)価格を据え置きにして、容量を減らす――。いや、もう1つあった。全商品の価格を維持、容量もそのままにする。
「いやいや、このご時世、価格を据え置きなんて無理ゲーでしょ」「オレは120円、いや、150円でも買うよ(たぶん)」などと思われたかもしれないが、同社は値付けをめぐって、トラウマのような出来事を経験している。冒頭で「100円おせちは2012年に発売した」といった話を紹介したが、14〜15年に売り上げが減少しているのだ。
この年に何があったのか。100円の商品だけでなく、300円以上のモノも発売したところ、客足が遠のいてしまったのだ。ということもあって「たくさんの商品がどんどん値上げしているので、じゃあ、ウチも〜」といったノリで決めることができないようだ。
「100円おせち」は毎年、12月25日に発売している。なぜかというと、クリスマスケーキを置いていたスペースに空きができて、そこに商品を並べることができるからだ。
「もういくつねると〜♪」その日がやって来るのか。取材した記者として、価格が気になるところである。
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