「青春18きっぷ」が2023年も発売される。例年通り、春季、夏季、冬季の3シーズンだ。JRの普通列車、快速列車に乗り放題。1日有効×5回分で1万2050円。1回当たり2410円。青函トンネルはいまのところ貨物列車と北海道新幹線だけで普通列車がないから、救済措置として別売りの「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」も発売される。1乗車につき2490円で、北海道新幹線の奥津軽いまべつ〜木古内間と道南いさりび鉄道の木古内〜五稜郭間を乗り継げる。
春の「青春18きっぷ」の利用期間は3月1日から4月10日まで。販売期間は2月20日から3月31日まで。さて、どこへ行こうか。片道71キロメートル以上なら往復で元が取れる。普通列車を乗り継いで遠くへ出掛けてもいいし、いっそLCCや夜行バスで「ワープ」して、そこから使い始めてもいい。新幹線のネット予約でも安いきっぷを買える。これらと組み合わせたら、出発地から普通列車、快速列車を乗り継ぐより、もっと遠くへ行ける。
ちょっと待った。ほかの交通手段と組み合わせるなら「青春18きっぷ」にこだわる必要はない。JR各社が自社エリアで展開するフリーきっぷもある。少し値段が上がるけれど、特急列車に乗れるきっぷもある。青春18きっぷと利用期間が重なるきっぷもある。まるで国鉄時代につくられた「青春18きっぷ」を取り囲むようだ。
青春18きっぷ+大垣行夜行「ムーンライトながら」は、関東と関西を結ぶ定番のルートだった。夜行快速の廃止、ローカル線の廃止、新幹線開業に伴う第三セクター化などで、青春18きっぷは使いづらくなっているかも……
- 次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
- ドラえもんがつくった地下鉄は公共交通か? ローカル線問題を考える
『ドラえもん』に「地下鉄を作っちゃえ」という話がある。のび太がパパのためにつくった地下鉄は公共交通と認められるか。この話をもとに、公共交通になるための過程、利用者減少から撤退への道のりを考えてみたい。
- 不人気部屋が人気部屋に! なぜ「トレインビュー」は広がったのか
鉄道ファンにとって最高の「借景」が楽しめるトレインビュールーム。名が付く前は、線路からの騒音などで不人気とされ、積極的に案内されない部屋だった。しかし鉄道ファンには滞在型リゾートとなり得る。トレインシミュレーターや鉄道ジオラマなど、ファンにうれしい設備をセットにした宿泊プランも出てきた。
- 豪華観光列車の成功に「青春18きっぷ」が必要な理由
旅行業、レジャー産業の価値観を理解すると、鉄道会社の若者への取り組みの重要度が理解できる。時間消費型の若者が成功して資金消費型、富裕層になる。そのとき、彼らの遊びの選択肢に列車旅の記憶がある。そこが重要だ。
- 中央快速線E233系にトイレ設置、なんのために?
JR東日本の中央線快速で、トイレの使用が可能になることをご存じだろうか。「通勤電車にトイレ?」と思われた人もいるかもしれないが、なぜトイレを導入するのか。その背景に迫る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.