約8割の企業が「賃上げを予定」、給与アップできない理由は?コロナ禍前と同水準に(1/3 ページ)

» 2023年02月22日 09時00分 公開
[熊谷ショウコITmedia]

 東京商工リサーチは「賃上げに関するアンケート調査」を実施した。2023年度の春に賃上げを実施予定の企業は80.6%で、22年度に賃上げを「実施した」企業の82.5%を1.9ポイント下回るものの、コロナ禍前と同水準の8割台を維持していることが分かった。

賃上げに関する調査を実施(提供:ゲッティイメージズ)

 規模別では、「実施する」と回答した大企業が85.5%に対し、中小企業は80.0%。22年度に「実施した」大企業は88.1%、中小企業は81.5%で、前年度比で差は縮小したが、同社では「依然として規模による実施率の差は大きく、中小企業の賃上げ実施率の引き上げが課題になってくるだろう」と見ている。

賃上げ動向

「製造業」など上位4産業は「実施する」の割合が8割以上

 産業別で見ると、「実施する」割合が最も高いのは「製造業」で85.9%(1319社中、1134社)。以下、「卸売業」81.8%(931社中、762社)、「建設業」81.2%(511社中、415社)、「情報通信業」80.4%(235社中、189社)と続いた。

23年度の賃上げ実施予定(全企業)

 規模別では、「賃上げ実施率」が10産業すべてで大企業が中小企業を上回った。「運輸業」は大企業の実施率が92.0%に対し、中小企業が74.5%、小売業は大企業が84.6%に対し、中小企業は72.1%と、中小企業の実施率は大企業をそれぞれ17.5ポイント、12.5ポイント下回った。規模による差が10ポイントを超えるのは、5産業に上った。

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