楽天グループは2月22日、販売プラットフォーム「Rakuten NFT」で、金子國義画伯による猫と人物が描かれた原画をセレクトしたNFTのシリーズを発売した。前回好評だった「不思議の国のアリス」シリーズに続くもので、発売日は金子画伯が猫が好きだったことから、2月22日の「猫の日」に合わせた。
楽天グループは今回のNFT発売の狙いを以下のように説明する。
「NFTとして販売することで、二次流通以降も作者の収入につながり、活動を応援することができます。金子國義画伯のNFTの売り上げは主に、画伯の作品を受け継ぎ管理する『STUDIO KANEKO』を通じて、画伯の絵画の維持、保存や管理に役立てられます。画伯のNFTの提供を通じて、作品や作者を応援するとともに、ユーザーに気軽にNFTに触れていただく機会を提供したいと考えています」
2002年2月22日という同じく猫の日に、画伯の養子になったSTUDIO KANEKOの金子修代表はマネジメント業の傍(かたわ)ら展覧会の運営、装丁や浴衣に代表される「金子デザイン」の一端を担い、画伯逝去後は、作品管理の他、展覧会、イベント、出版などを運営している。
金子代表は今回の取り組みの狙いについて「『猫と人物セレクションシリーズ』は前回、非常に好評でした。今回の作品にも金子家でかわいがられていた猫がモデルで登場しています。お手に取られた方にもかわいがっていただけるのではないかと思います」と話す。
NFTに関する調査を手掛ける「NonFungible.com」の報告書によると、20年の世界のNFT市場の総取引高は約8200万ドル(約115億円)だった。一方21年は、約176億ドル(約2兆4659億円)と200倍以上に膨れ上がっている。
Rakuten NFT 事業部ゼネラルマネージャーで、楽天チケット社長も務める梅本悦郎さんによれば、NFTを活用したIPの活用方法には以下のようなものが考えられるという。
「NFTの利点として今人気のホットな作品に加えて、既に一通りの展開が終わったコンテンツも有効だと考えています。例えば絵画の場合ですと、作者が亡くなり、これ以上作品が生み出されなくなったものなどですね。そういったIPに対して再び需要を喚起し、NFTという形で一次販売をする。そうすると、時間がたって二次販売をすると、元値より高く取引されるものが少なくありません。
古本屋の売り上げが出版社にいかないように、絵画やグッズの場合、二次販売されても基本的に著作権者にはお金が入りません。ところがNFTの場合、その取引金額の一部を著作権者や版元に還元する仕組みを作ることが可能です」
楽天グループは、このNFTのフォーマットを、IPホルダーに広めることが直近の課題だと捉えているようだ。
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