2022年5月、東京・六本木通り沿いのとあるビルの一階で、カフェレストラン&ミュージックバーラウンジ「Common」は営業を開始した。ドリンクや食事の提供といった一般的なカフェとしての役割だけでなく、六本木を象徴する音楽やアートの要素としてDJブースやアート作品の展示スペースなどが設けられている。
音楽やアートといった街に根付く文化をつないでいくことで、さまざな人が行きかう「都市の広場」としての場所を創っていくという狙いがある。その考えに基づき、200平米の広々とした空間に通常の3分の2程度の席しか置いていなかったり、それぞれの席の高さを変えることで他の客と目線が合わないようにしたりといった工夫を施している。
新しい店が生まれては消えていく六本木に一風変わったカフェができた――という話がしたいわけではない。Commonの最大の特徴は「サステナブルな内装」にある。
実はCommonが入居するビル自体は、近隣エリアの再開発に伴い、最短3年で建て替え・取り壊される予定だという。Commonの内装はそういった前提条件を踏まえて、解体後にリユースできるような素材や施工方法を採用している。
随所に散りばめられた工夫について、Commonを運営するThe YouthのCEO佐藤岳歩氏に話を聞いた。
Commonのサステナブルな内装の特徴としては、「テーブル」「壁面」「天井」「キッチンカウンター」の4点が挙げられる。一つずつ紹介していきたい。
まず筆者は、テーブルなどの天板にぷつぷつとした黒い点々を発見した。黒点の正体は何だろうか。
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