同社によると、転職希望条件に「リスキリング実施企業であること」を挙げる人自体はごく少数だという。リスキリングの認知の低さや実施企業の少なさが背景にあるとみられる。しかし、ほぼ100%が「スキルアップできる環境であること」を希望していることから、成長できる環境への注目度が高いことはうかがえる。
同社は「転職者は(1)市場価値を高めること(2)職業や業種、転職先企業など、キャリアの選択肢を広げること(3)昇進・昇給(4)AI普及や自動化、DX化への対応――といった観点からリスキリングを意識している」と分析する。
実際にリスキリングに関心がある人からは「異業種転職しようとしているから」(20代・男性・製造)、「DXが進む中で自身が時代の流れに乗り遅れないようにできると思うから」(40代・男性・製造)、「時代の変化に対応できる人間となりえるから。今後のキャリアの展開にも良い影響をもたらすと思うから」(30代・男性・営業)といった意見があった。
実際にリスキリングをして新たなスキルを身に付け、ジョブチェンジをする人は現状どれくらいいるのか?
「調査の結果、実際にリスキリングを受けている人は全体の5.3%にとどまりました。リスキリング経験者はかなり少なく、さらに職種転換まで実現している人はごく少数ではないかと考えております」(広報担当)
しかし、企業でリスキリングを受けていないものの、自主的に新たなスキルを獲得してジョブチェンジを実現した例はあるという。勉強方法は、独学、職業訓練校での受講などさまざまで、大学時代の知見を生かすケースも多い。
40代:大手自動車部品メーカー勤務・回路設計・年収900万円→電子機器メーカー・品質管理・年収850万円
20代:アウトソーシング企業勤務・機械設計・年収330万円→住宅資材メーカー・建設系CADオペレーター・年収340万円
20代:複合機メーカー・技術営業・年収300万円→ソフトウェアSIer・システムエンジニア/ITコンサルタント・年収350万円
「製造系の職種領域では、感触として約8割が現状のスキルにプラスアルファで、新たな知識・スキルを獲得し、現職でのキャリアアップもしくは異なる職種にチャレンジしています。残りの2割は、未経験でポテンシャル採用の企業に挑戦する人が占めています」
「他の業種・職種に関していえば、経験職種のほうが年収アップなど転職希望条件をかなえやすいので、ジョブチェンジを絶対条件にしてリスキリングに取り組む求職者は多くないといえます」(広報担当者)
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