サイバーエージェント、リスキリング支援の新会社 狙いは?デジタル人材不足

» 2023年03月17日 16時34分 公開
[ITmedia]

 サイバーエージェントはリスキリング(学び直し)で企業のDX内製化を支援する新会社「CAリスキリングパートナーズ」(東京都渋谷区)を新設した。同社グループ全体で「事業開発」から事業運営を担う「人材育成」までワンストップで支援していく。

リスキリング サイバーエージェント、リスキリング支援の新会社 狙いは?(出所:プレスリリース、以下同)

 デジタル人材の不足が深刻化する中、リスキリングへの注目度が高まっている。2022年10月には政府がリスキリングの支援に5年間で約一兆円の予算を投じると表明。各企業がリスキリングに注力し、デジタル人材の育成を強化することが期待されてている。

 一方で、「何からリスキリングを始めるべきか分からない」「研修を実施したが実業務に生かす事ができていない」といった課題を抱えている企業が多いのが現状だ。

 同社はこれまでも広告事業の立ち上げなど、新たな事業創出のDX推進を支援してきた。その中で、「企業の人材開発・人事支援」へのニーズの高まりを感じていたという。

 「近年DX支援を強化する中で、『社内で事業を推進する人材が十分におらず、人材育成を支援してほしい』という相談が増えていました。当社が持つデジタル・組織開発の知見をもとにした『企業の人材開発・人事支援』に対し、より専門性の高い組織として顧客企業の支援を行うため、子会社としてCAリスキリングパートナーズを設立しました」(伊藤優代表)

リスキリング 新会社の支援領域

新会社の役割 「人材育成」に専門性

 新会社では、(1)DX推進人材を育成する学習カリキュラムの開発・提供(2)育成目標にあわせた、個社別のワーク開発(3)DXの内製化にむけた、人材戦略・リスキリング戦略の策定――などを担う。

 「企業の人材育成におけるコンサルティング業務から、各種カリキュラムの開発、個社に合わせたワーク開発まで一気通貫で支援いたします。まずは当社が広告事業創出などを支援する小売・モビリティ・金融などの業界を中心に支援してまいります」(伊藤代表)

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事業開発から人材開発まで一気通貫で支援

 同社は23年2月、企業のデジタルサービスの事業戦略策定、開発などを支援する「DXダイレクトビジネスセンター」を新設。企業が消費者とダイレクトにつながっていくために必要な「事業戦略や事業計画の策定」「サービス戦略やUI/UX設計を重視したアプリやサイトなどの開発」「データ利活用に向けた戦略設計、データ基盤構築」「サービスグロースに重要な追加機能開発」を支援している。

 新会社の設立により、サイバーエージェント全体で「事業開発」から事業運営を担う「人材育成」まであわせて支援していく。

 「DXダイレクトビジネスセンターでは、デジタルサービスの戦略策定・開発を支援。CAリスキリングパートナーズでは、顧客の社内においてデジタルサービスの運用やデータ活用を行える人材の育成などを支援いたします」

 「例えば、(1)DXダイレクトビジネスセンターがサービス開発やグロースを支援する企業において、開発後のグロース運用や改善、データ分析を顧客企業内の人材が行えるよう人材育成を支援する(2)サイバーエージェントと共同で広告事業創出を進める企業において、デジタルマーケティングの人材育成を行い、その後の広告商品設計や運用、セールスを顧客企業内の人材・組織で行えるようにする――などが想定されます」(伊藤代表)

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