前述したように、アドビはFireflyの将来版にクリエイターによるカスタムAIモデルの構築ツールを提供し、それをAdobe Stockで販売、あるいは生成した画像にライセンスを発行するなどの仕組みを提供するとアナウンスしている。
例えば現在のFireflyで男性女性を問わず、モデルのポートレイトを使った画像を生成させてみると、(プロンプトの修飾次第だが)かなり高い確率で同じモデルが出てくる。学習されている画像データに限りがあるため、どうしても「どんな感じ」と指定する部分が似ていれば、出てくる映像も同じになってくるということだ。
これがイラストやグラフィックスならば、似た作風だがカラーレイアウトや細かなディテールが異なる別バリエーションとなるが、写実的な画像だとそうもいかない。またイラストやグラフィックスも、そのままズバリではなくとも一貫した作風を感じることは多い。
アドビの狙いがうまくいけば、例えばモデルをなりわいとしている人が自分の写真を多数学習させたり、グラフィックデザイナーが一貫した作風のテクスチャなどを学習させたり、あるいはイラストレーターが過去のポートフォリオを学習させたりと、さまざまなタイプのカスタムAIモデルを提供可能になる。
アドビは広告制作ツールのAdobe Expressに、広告コピーのひな型作成機能なども付与しようとしており、あるいは将来的には印象的な広告コピーを生成するAIモデルなども販売されるようになるかもしれない。
クリエイターや(被写体としての)モデルには、新しい可能性が控えているともいえる。商業的にどこまで使えるレベルになるのかという疑問をまだお持ちの方もいるだろうが、それは技術やノウハウがあっという間に解決するだろう。
ということで、アドビが同時に取り組んでいるのがAIが生成したクリエイティブの扱いについて、世界的な標準を決めていくことだ。
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