さて、このような話を聞くと、「なぜバーガーキングはそんなにマックを目の敵にしてイジっているの?」と疑問を感じる人も多いのではないか。バーガーキングの国内の運営を取り仕切るビーケージャパンホールディングスの野村一裕社長はITmedia ビジネスオンラインの取材にバズマーケティングの一環だと説明する。(関連記事)
「私たちのように広告費に回せるお金が少ない場合は、『称賛』と『批判』のちょうど真ん中にピンを置くんです。すると、称賛派と批判派の両方からの興味が集まり、バズることができます」
その「ピン」がマックをイジるということなのかもしれない。確かに「絶対王者」であるマックにケンカを売るような広告を打てば注目される。もしそこでマックが反応すればさらに話題になる。「挑戦者」であるバーガーキング的にデメリットは少ない。実際、野村氏もこう言っている。
「マックは大手だからこそ、振り向かないという自信もあります。もしここでマックが振り向いたら、私たちの勝ち。私たちは『マックさんありがとう』と、それをネタにしますから」
ご存じの方もいらっしゃるだろうが、実はバーガーキングは世界中でこのようなマックをイジる戦略をとっている。例えば、英国のバーガーキングは2019年の年末に突然、「この1年間黙っていた秘密を暴露する」と発表。それによれば、なんとこの1年間、さまざまなところに掲げていた広告に掲載されていたワッパーの後ろに、ビックマックを隠していたというのだ。
要するに、ワッパーがビックマックよりも大きいということをこの1年間宣伝できたというわけだ。このメッセージの最後には、マクドナルドの協力に感謝する、なんて嫌味まで言っている。
もちろん、マクドナルドもやられっぱなしではない。フランスのマックの広告では、田舎の道路添いに設置されたひょろっと細長い案内板の写真が掲載されている。よく見ると、これは現在地から258km先にあるバーガーキングまでの道順が紹介されたものだ。そして、その脇には小さな案内板があって、「マクドナルドまで直進5km」とあるのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング