昨今話題のリスキリング。企業・個人を問わず求められつつある取り組みだが、年収格差が生じているようだ。Institution for a Global Society(東京都渋谷区)や慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンター、東京理科大学インベストメント・マネジメントなどが参画するONGAESHIプロジェクトチームが発表したリスキリングに関する調査結果を発表した。
「デジタル関連のリスキリングのために実際にかけられる費用」を聞いたところ、「5万円未満」と回答した人は、全体の82%(273人)を占めた。また、年収400万円未満の84%(152人)、年収400万円以上の79%(121人)が、「5万円未満」と回答した。
実務で活用できるデジタル関連スキルの習得には、多額の費用が掛かる。今回の結果から、個人でリスキリング費用を負担することが難しい現状がうかがえる。
「お金が理由で、デジタル関連のリスキリングを諦めたことがあるか」を尋ねた。「ある」と回答した年収400万円以上の人は36%(55人)だった一方で、年収400万円未満の人は51%(91人)おり、経済格差によるリスキリング格差が広がっていることが分かった。
「デジタル関連のリスキリングをしたい理由」を聞くと、最も多かったのは「給与を上げたいから」(38%、138人)で、次いで「仕事の幅を広げたいから」(34%、122人)、「副業がしたいから」(31%、112人)となった。
リスキリングの経験・意向別で見ると、「再度取り組みたい、リスキリング中断者」は、「好きな仕事がしたいから」(45%、38人)が1位、「リスキリングの必要性を感じている未経験者」は「仕事の幅を広げたいから」(43%、72人)が1位となった。
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