ゲームの市場規模は約10年で2倍に! コンテンツ産業をさらに成長させる4要素とは戦略を考える(1/3 ページ)

» 2023年04月27日 05時00分 公開
[佐久間 俊一ITmedia]

著者プロフィール

佐久間俊一(さくま しゅんいち)

レノン株式会社 代表取締役 CEO

WEB3.0専門のコンサル会社 マーヴェリック株式会社 COO(Chief Operating Officer)

城北宣広株式会社(広告業)社外取締役

著書に「小売業DX成功と失敗」(同文館出版)などがある。

グローバル総合コンサルファームであるKPMGコンサルティングにて小売企業を担当するセクターのディレクターとして大手小売企業の制度改革、マーケティングシステム構築などDX領域のコンサルティングを多数経験。世界三大戦略コンサルファームとも言われている、ベイン・アンド・カンパニーにおいて2020年より小売業・消費財メーカー担当メンバーとして大手小売企業の戦略構築支援及びコロナ後の市場総括を手掛ける。2021年より上場会社インサイト(広告業)のCMO(Chief Marketing Officer)執行役員に就任。

2022年3月小売業と消費財メーカーの戦略とテクノロジーを専門にコンサルティングするレノン株式会社を設立。

2019年より1年半に渡って日経流通新聞にコーナーを持ち連載を担当するなど小売業には約20年間携わってきたことで高い専門性を有する。

日経MJフォーラム、KPMGフォーラムなど講演実績は累計100回以上。


 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、私たちは一定期間の我慢を強いられてきました。

 そんな状況でも日常生活に幸せを見い出すため、多くの人が音楽やゲームといった自宅で楽しめるコンテンツに熱狂しました。また、サッカー・ワールドカップやワールドベースボールクラシックの視聴率が30%を超えるなど、感動や体験を提供してくれるコンテンツの価値や魅力を再確認した人も多いことでしょう。

 今回は、コンテンツ産業の今後について整理してみたいと思います。

コンテンツ市場は今後どうなる?(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 次のグラフは、国内におけるデジタル・コンテンツ市場規模とデジタル化率の推移です。コンテンツ市場は2021年には12.7兆円規模にまで拡大しました(10年対比で107.3%)。その市場の中で、デジタル・コンテンツは144.1%という飛躍的成長を遂げ、デジタル化率は76.5%にまで達しています。

 市場が成長している背景のひとつに、コンテンツが配信される場所や手法に大きな変化が生じていることが挙げられます。この変化は音楽のストリーミングやオンラインゲーム、動画配信サービスなど日々の消費にて体感していることかと思います。

 次に各領域別の日本市場の推移を確認してみましょう。

 映画、音楽(楽曲販売)、ゲーム、ライブというコンテンツ産業の主要な領域において10年を100%とした時にどれくらい拡大してきたか、また、コロナ前の19年より回復傾向にあるかを見てみます。

 ゲーム市場は10年対比200%という飛躍的成長を遂げてきましたが、映画や音楽については横ばいもしくは微減と見てとれます。

 ライブ・エンタメ市場についてはコロナで激減したものの、現在では17年水準まで回復しており、25年には19年を上回る規模に拡大していく予測(ぴあ総研推計)が出ています。

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