それでは次に、各分野における代表的企業の業績がどのような状況にあるかを確認してみましょう。
次の表は各企業の21年度の売り上げと営業利益率、19年度対比の成長率をまとめたものです。
表に挙げた企業の売上成長平均値は、ゲームが133.4%、音楽は123.3%、映画は116.8%、テレビ局のメディア・コンテンツ事業は91.7%となっています。営業利益率については、10%を超える企業が多く高収益型のビジネスであることがうかがえます。
ただし、各社の業績推移を細かく確認してみると、継続的に伸長しているのではなく浮き沈みが他の産業よりも大きい年度もあり、ヒット作に依存する部分が多いことがうかがえます。
Nintendo Switchの『あつまれ どうぶつの森』やサイバーエージェントの『ウマ娘』、東宝とアニプレックスが配給を担った『鬼滅の刃』といったような大ヒット作を、毎年生み出していくのは至難の業なのです。また、映画における興行(映画館)や、ドラマコンテンツにおけるテレビなど、コンテンツを流通するポジションにいるプレーヤーは、配信チャネルの多様化の影響を受け業績が下がっている傾向にあります。
映画産業については、映画の興行収入だけではなく、翌年テレビで放映される放映収入やDVDの2次販売などで投資の回収を図ってきましたが、以前よりも厳しくなってきているのが実情です。
華々しく見える産業ではありますが、ビジネスとしてはリスクも大きく今後の課題を多く抱えています。
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