吉野家が「牛丼とから揚げの店」を目指してる!? 並々ならぬやる気を見せている理由注力の理由は?(3/3 ページ)

» 2023年05月02日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]
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リスク分散の意味合いも

 牛丼が主力の吉野家にとって、から揚げはリスク分散を実現する商品でもある。

 気候変動や国際情勢の変化などにより、牛肉の価格が高騰したり、輸入できる量が制限されたりすることがある。同社は商品の安定供給を実現するため、牛、豚、鶏という複数の食材を取り扱う方針を掲げている。吉野家の看板商品は牛丼だが、豚丼も定番化している。鶏肉の商品を充実させることで、牛肉や豚肉が調達しにくくなった場合のダメージを軽減できる。

 吉野家は22年4月に「親子丼」を発売するなど、鶏肉関連の商品を強化してきた。親子丼は開発に10年かけたという自信作だったが、卵ショックの影響で23年は「焦がしねぎ焼き鳥丼」を投入した。

まるでから揚げ専門店のように公式Webサイトで訴求
すっかり定着した豚丼

 一般的な傾向として、鶏肉は牛肉より安価に調達できるので、ボリュームのある商品を低価格で提供しやすい。また、から揚げは老若男女に支持される商品だ。自宅で調理しようとすると面倒なため、テークアウトで済まそうとする人も多い。開業するのにそれほど資金がかからず、調理などのオペレーションも単調である。こうした背景から、から揚げ専門店への参入が相次いだ経緯がある。

 さまざまな狙いから注力するから揚げは、吉野家の看板商品として育つか。

期間限定の焦がしねぎ焼き鳥丼
2022年には、開発に10年かけた親子丼を発売した
から揚げの強化を重点項目として掲げる
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