SocTocのビジネスモデルに、どのような特徴があるのか。お客がネットを使って「クワトロチーズピザ 4種のチーズ」(2558円)を注文すれば、スタッフはクルマを飛ばしてコストコで購入する。東京都内の倉庫に運んで、箱詰めなどをしたうえで、客が指定した時間に届けるといった仕組みである。値段はコストコの店頭価格から、25〜30%ほど上乗せしている。
やっていることは買い物代行に近いが、ポイントの一つに「仕分け」がある。コストコで買い物するにあたって、「全体的に安いのはいいけれど、量が多いんだよねえ。家族2人だと、食べきれないよ」といった声をよく聞く。こうした不満に対して、SocTocは小分け商品を用意しているのだ。先ほどのピザでいえば、ハーフサイズを1427円で販売している。
家から遠いところにあるので、店に行けない人向けの「買い物代行」と、大量の商品をバラ売りにして店で販売する「再販店」。この2つの“いいところどり”をしているのが、SocTocの特徴として挙げられるのだ。
コストコの商品を扱っている会社はたくさんある中で、なぜこのタイミングで事業を始めようと思ったのか。WeCanDoItで社長を務める大里健祐さんに話を聞いたところ、「以前はエンジニアとして働いていましたが、30代には起業したいなあと思っていました。どんなビジネスがいいのかなあと考えて、できれば情熱を注げることがいい。自分はコストコ愛が強い。であれば、コストコに関係することはできないかと考え、いまの事業を始めました」とのこと。
畑違いのキャリアを積んできたものの、22年8月に会社を立ち上げる。「23年2月にコストコの商品を扱いますよー」「年会費0円で、家まで届けますからね」などと発表したところ、ローンチ前にもかかわらず、会員は1万人を超えたのだ。
で、実際にスタートしてどうだったのか。「想定以上の注文が入りまして、オペレーションがうまくまわりませんでした」(大里さん)。仕分けや梱包に時間がかかってしまって、社内のエンジニアなども動員することに。配送をお願いしている業者の人にも手伝ってもらって、作業を急いだ。それでも一部のお客に対して、遅れが生じてしまった。
ただ、そのことを隠さないところが、この会社のいいところ。3月20日のリリースには、次のような文言が綴られていた。「3月前半はサービスをリリースして間もないこともあり、システムの不具合やオペレーション上のトラブルも多く、すでにSocTocをご利用いただいたお客さまにはご迷惑をおかけすることも多くございました」と。
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