独身男性がクーポンに敏感という点も、かつやが支持される理由の一つだ。独身研究家で、「ソロ男」という言葉を生み出した荒川和久氏はYoutubeにおける岡田斗司夫氏との対談で、独身男性の消費行動について以下のポイントを主張している。
上記は、独身男性に関する主張だが、既婚者であっても男性は外出時には自分で食事を取らなければならない。財布にクーポン券があればかつやを選択してしまうのだろう。
そして男女・各年齢層を対象とした飲食店のリピート率に関する調査では、リピート率が高いのは30〜60代男性という結果が出ている(ホットペッパーグルメ調べ)。また、1週間の外食回数が多いのもこの客層だ。つまり、もともとリピート率が高く、クーポン券に敏感な男性客に対し、100円割引券を提供し虜にすることによってかつやは成功したといえよう。男性客をターゲットとする戦略とクーポン戦略が相乗効果を発揮したのである。
かつやは今後、国内外でさらに出店を続けるようだ。東アジア・東南アジア地域を中心に出店を継続し、22年12期末時点で75店舗の海外店舗をさらに増やす。国内では従来通り100円割引券によって顧客化、つまり虜にしつつ、商圏人口6万人レベルの小商圏にも進出するとしている。国内にも出店の余地は残されており、かつやの規模拡大は今後も続くとみられる。
山口伸
化学メーカーの研究開発職/ライター。本業は理系だが趣味で経済関係の本や決算書を読み漁り、副業でお金関連のライターをしている。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー Twitter:@shin_yamaguchi_
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