餃子の王将「忘れられない中華そば」が想定以上に好調 ネーミングで意識したことは?4月1日発売

» 2023年05月31日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

 餃子の王将が4月1日に発売した「忘れられない中華そば」(748円)の滑り出しが好調だ。4月で約37.1万杯を販売しており、想定以上だという。

どんなラーメンなのか

 新商品は、魚介だしの風味やネギ油が香るしょうゆベースのスープが特徴。北海道産小麦粉を使用したつるっとなめらかでコシのある麺にスープがからむようにしている。トッピングは、なると、メンマ、のりなどとなっている。また、炭火焼チャーシューを使用することで、うまみと薫香を添えた。専用のラーメン鉢を制作するほどチカラを入れている。

 担当者は「開発には約半年かかっています。昭和の懐かしい中華そばをイメージしました。若い方にとっては新鮮さを感じていただけるものを目指しました」と説明する。

忘れられない中華そば(提供:王将フードサービス、以下同)

 素朴なラーメンを開発する際に意識したのは、日本におけるラーメン全体のトレンドだという。担当者は、日本では豚骨ブーム以降、濃厚で贅沢(ぜいたく)な足し算のラーメンが目立っていると考えた。そこで、だしのうまさとこだわりぬいた具材だけで勝負する「引き算のラーメン」に取り組むことにした。

 ネーミングに関しては、味付けや具材を強調するのではなく、商品開発のコンセプトそのものが感じられるようにしたという。実際、店舗に掲示するポスターには「懐かしいのに初めての味」「時代を超えて新発売」といった抽象的なコピーが並んでいる。

 注文した顧客からは「麺はつるっとコシがあってもっちりしておいしい」「昔ながらで懐かしい」といった声が寄せられているという。餃子の王将が挑んだ引き算のラーメンは引き続き支持を得られるか。

商品を訴求するポスター

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