研究者・研究開発職:調査、研究の労力が軽減する
理系の学問でも文系の学問でも、研究には「リサーチ」が欠かせません。
研究者のなかでも、特にデータサイエンティストの仕事は様変わりするはずです。
データサイエンティストの仕事は、社会やビジネスの課題を洗い出し、それを解決するためにデータを活用すること。データの収集、分析のみならず、その前提となる課題設定においても、ジェネレーティブAIが強力なビジネスパートナーとなるでしょう。
社会の動向や、あるビジネススキームをジェネレーティブAIに検討させ、取り組むべき課題のリストを提示させる。それと自分の見立てをすり合わせて課題を絞る。そしてジェネレーティブAIとともにデータの収集や分析を進めていくという具合です。
その他、文系・理系を問わず、研究者は、図書館で本を借りる、学会誌で最新論文を読む、各地の大学図書館にアクセスして論文を検索するなど自力でリサーチしてきましたが、その大部分はジェネレーティブAIに任せられるようになるでしょう。
ジェネレーティブAIと相談しながら、研究方法を検討したり、実験やフィールドワークの計画を立てたりと、研究のロードマップを描くこともできます。
あるいは、研究費を獲得するための手続きや大学内の雑務など、研究以外のことはジェネレーティブAIがやってくれるようになるはずです。
ジェネレーティブAIをパートナーとして使いこなすと、このように自分ひとりでこなさなくてはいけないことが大幅に減る分、研究者の本分である「考えること」に集中できるようになるのです。
企業の研究開発部門も同様です。必要なデータ収集、リサーチ、実験、分析などをジェネレーティブAIと協働して行うことで、新製品の開発にかかる労力を大幅に削減できるでしょう。
ただしジェネレーティブAIにリサーチをさせる際には、1つ注意が必要です。ジェネレーティブAIは、オーダーにうまく答えられないときなどに、実在しない架空の論文をでっち上げるなど、?をつくことがあるのです。
この先、ジェネレーティブAIの性能がさらに高くになるにつれて、その頻度は下がっていくはずですが、当面は、提示された論文を別のジェネレーティブAIで検証する、検索エンジンで調べるなどの裏取り作業が必要です。ちなみに著名な学術雑誌「サイエンス」は、ジェネレーティブAIによって書かれた論文は認めない、との方針を2023年月に公表しています。
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