料理レシピの投稿・検索サービス「クックパッド」を運営するクックパッド(横浜市)が苦境に立たされている。6月5日に110人の人員削減を発表。2月と3月の希望退職者の募集に続く、年内3度目の人員削減となる。背景には、競合サービスの台頭やトレンドの変化に伴う業績不振がある。
今回の人員削減の対象は、日本と海外子会社を含めた110人。退職予定日は6月末〜8月末。人員整理に伴い、特別退職金として23年12月期第2四半期に3億5000万円の営業損失を計上する。同社は、人員削減の理由を「海外子会社を含むグループ全社における経営体制を強化し、より一層、当社の強みに集中した経営とするため」と説明している。
同社が人員整理に踏み切るのは年内では3度目となる。2月には広告事業の廃止などで40人、3月には運営体制の見直しで80人の希望退職者をそれぞれ募集していた。
相次ぐ人員削減の要因になっているのが、同社の業績不振だ。2月に発表した2022年12月期通期決算の資料からも苦しい台所事情が分かる。
22年12月期通期の売上高は前期比9.2%減の90億8600万円、営業損失は35億2000万円(前期は26億3200万円の赤字)。最終赤字は34億8800万円と、前期の23億8000万円から拡大。上場以来初の赤字となった19年12月期から4期連続の赤字が続いた。
稼ぎ頭で全体収益の71%を占める有料会員での売り上げも緩やかに減少傾向で、前年から7.6%減少。国内の有料会員数も同様に減少傾向にあり、広告売り上げでは前年同期比26.1%減の3億7900万円となった。
直近の23年12月期第1四半期も、売上高は21億8900万円(前年同期比4.7%減)。営業損失が17億1100万円(同6億1900万円の赤字)。純損失は16億3200万円(同5億4000万円の赤字)という状況だ。
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