「男性専門」を謳い、成長を続ける美容室がある。都内中心に展開している「PERCUT」だ。2012年に美容師の川口達也さんが独立とともに創業。現在は10店舗(23年6月13日時点)を展開する。
矢野経済研究所の理美容サロン市場規模推移・予測によると、直近6年ではコロナ禍による外出控えの影響などもあり、同業界の市場規模は横ばい〜微減の状況が続く。そんな中、PERCUTでは売り上げが2桁成長を続けており、直近では5億円に達した。
好調の秘訣は、徹底的に男性客にフォーカスしたサービスを提供していることにある。昨今は男性向けをアピールする美容室も増え始める中、「メンズヘアサロンのパイオニア」(川口さん)を目指し、競合とは一線を画すサービスを提供し続けている。
もともと原宿の美容室で働いていた川口さんがPERCUTを創業するきっかけとなったのが、美容室の「男女格差」だ。「当時はまだ男性向けの美容室が少なく、男性のお客さまがいらしたときも、若手の美容師が対応する風潮がありました。私自身が若手のころに男性を多く担当する中で、本当に男性のニーズに寄り添った美容室が少ないと感じたのがPERCUTを創業したきっかけです」と振り返る。
川口さんの分析によると、男女で美容室に求めるものは異なるという。例えば、女性は美容室に行くのを楽しみにする傾向にあるが、男性は渋々通うケースも少なくない。また、店内販売としてワックスなどを勧められるのも疎ましく感じる人が多く、メニューも多様なものよりシンプルな方が好まれる傾向にあるという。
PERCUTでは、こうした男女差に着目し、徹底的に男性へフォーカスしたサービスを心掛ける。メニューは極力シンプルにし、「カット」「カラー」「パーマ」「縮毛矯正」の4種類と、その組み合わせのみ。サッと済ませたい人が多いことから、一般的な美容室では複数回行うことも多いシャンプーも1回だけにした。
さらには会話が苦手だったり不要に感じたりする人に向けて、専用のアプリで「接客不要」のオプションまで用意している。「美容室は『とにかく接客しよう、お客さまと話そう』というところも多いです。一方で、美容室で話したくないと考える男性も多いことから用意しました」と川口さん。利用率は1割ほどだというが、しっかりと潜在的なニーズを捉えている。
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