「7%割引カード」でコア層維持 「餃子の王将」が過去最高売上を達成しているワケコロナ禍も克服(2/4 ページ)

» 2023年06月19日 06時00分 公開
[山口伸ITmedia]

コロナ禍をどう乗り越えたのか

 成長し続けてきた餃子の王将は無事コロナ禍も乗り越えた。19年3月期〜23年3月期における王将フードサービスの業績は次の通りである。

売上高:816億円→856億円→806億円→848億円→930億円

営業利益:69億円→77億円→61億円→70億円→80億円

店舗数:729→737→734→734→732

 コロナの感染が国内で本格的に広まった21年3期は約50億円の減収となったものの、営業利益は黒字を維持した。翌年には20年3月期と同水準まで回復し、23年3月期にはさらに売上高が伸びて同社の過去最高値を更新した。

連結売上高が過去最高を記録(出所:2023年3月期決算説明資料)

 コロナ禍ではスマホで事前決済できるテークアウトシステムの導入や、デリバリーサービスへの対応を迅速に進めた。また、メニューに関しては「餃子の王将 レンチンシリーズ」などのテークアウト専用メニューを充実させた。餃子の王将 レンチンシリーズでは、餃子や天津飯などが電子レンジ対応の容器に入った形で提供しており、家でも出来たてのような王将の料理を楽しめるようにした。

 こうした施策が業績のV字回復につながったようだ。19年3月期〜23年3月期、直営店でのテークアウト・デリバリー売上高は以下のように推移しており、テークアウト対応が店内飲食の減少分を補っていることが分かる。

テークアウト・デリバリー売上高:0円→150億円→246億円→302億円→261億円

テークアウト、デリバリー売上高(出所:2023年3月期決算説明資料)

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