天下一品も参入? ラーメン×カレーの“二刀流”を実現する外食チェーンはどこかスピン経済の歩き方(1/4 ページ)

» 2023年06月20日 10時35分 公開
[窪田順生ITmedia]

 先日、一流料理人の辛口採点で炎上をすることも多いTBS系『ジョブチューン』で、ラーメンチェーン「天下一品」(運営:天一食品商事)が取り上げられて、10品中5品が「合格」となった。

 銀座コージーコーナーと並んで不合格が過去最多という残念な結果ではあるのだが、今のところ天下一品をこよなく愛する人々から不満の声は上がっていない。

 おそらく、天下一品の代名詞である「こってりラーメン」が、満場一致のパーフェクト合格だったからだろう。

天下一品の代名詞である「こってりラーメン」(同社のWebサイト、以下同)

 今から52年前、創業者の木村勉会長が3年9カ月を費やして開発した「こってりラーメン」は、鶏がらと9種類の野菜をトロトロになるまで煮込んだスープが特徴だ。とんこつラーメンと製法も世界観もまったく異なるこの唯一無二のラーメンを、一流料理人全員が称賛したというだけでもファンからすれば大満足なのだ。

 SNSでは、「こってりラーメンさえ勝てば天下一品の勝ちだ」なんて声も多く見られる。

 学生時代から30年近く天下一品を食べ続けている筆者もその1人で、テレビの前でガッツポーズをした翌日、さっそく祝勝もかねて近くの天下一品へと足を運んだ。

 そこで目についたのは「こってりラーメン」よりも濃厚な「こってりMAX」だ。6月1日から限定店舗で販売されていたものが、12日より全国発売となったのである。

「こってりラーメン」よりも濃厚な「こってりMAX」
こってりMAX

 まだトライしていなかったのでこれを注文。価格は並で1210円、大盛りで1400円と昨今の「最近のラーメン高すぎじゃない?」という声を意に介さない強気の値段設定だが、周囲の客も大多数はこれを注文していた。

 食べてみた率直な感想は、もはやスープを飲むという感じではなく、「食べている」という感じだ。よく天下一品のスープを知らない人に説明するのに、「コーンポタージュみたいな感じ」という表現を用いることが多いが、「こってりMAX」はもはやシチューというか、カレーのルーに近い。

 実際、麺を食べ終わった後に残りのスープにライスを投入したところ、「辛くないカレー」を食べているような錯覚に陥った。ちなみに、この最後に白飯を入れる食べ方は、芸能界屈指の天下一品マニアで、天下一品のイメージキャラクターも務めるギタリストのSUGIZOさんが勧めている食べ方だ。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.