なぜ大手ラーメンチェーンのカレー二刀流は成功しないのか。いろいろな意見があるが、筆者はやはり絶対王者「ココイチ」の影響だと思っている。日本人が考えるいわゆる定番のカレーライスに関しては、全国で1247店舗(2023年2月末)を展開する「カレーハウスCoCo壱番屋」の独壇場となっている。
ちなみに、吉野家は全国1206店舗(23年5月末)である。そんな牛丼以上の“カレーインフラ”が全国津々浦々に張り巡らされている中で、ラーメンチェーンが「ココイチとそれほど変わらない普通にうまいカレー」を出しても消費者は振り向くだろうか。
振り向くわけがない。ラーメンチェーンで牛丼を出されても、「やっぱり牛丼だったら吉野家とか松屋だよな」と思うように、「カレーだったらココイチに行くか」となってしまうのではないか。
裏を返せば、ラーメンチェーンが「カレーとラーメンの二刀流」を実現するとしたら、「普通にうまい町中華カレー」ではなく、ココイチやファミレスでは決して食べることができない「クセの強い唯一無二のカレー」を開発しなくてはいけないということだ。
だからこそ、筆者は天下一品に勝機があると思っている。「ジョブチューン」の中で審査をしていた一流料理人も言っていたが、天下一品のファンは「ラーメンを食べに行く」とは言わない。「天一を食べに行く」と言う。他のラーメンと異なる独自のカテゴリーを作っているのだ。
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