そもそもOCN モバイル ONEは、OCNが得意としていた家庭向け光回線+ISPの事業形態に、顧客サービスとして「モバイルデータ通信回線もどうぞ」と用意したサブメニューだった。今回の再編で事業全体の構造はスッキリしたものの、単なるISPになってしまったわけで、その歴史を考えればやや寂しい感じがしなくもない。
ただ、ドコモの視点からすればOCNやぷららが混在していた過去のメニューに比べ、携帯電話回線から家庭向け光回線までをパッケージ化した商品を作りやすくなり、事業全体の構造はスッキリしたといえる。
移行前と移行後の事業モデルを比較すると、上から下までさまざまなレイヤーのユーザーに対して光回線をセットにした提案が可能になった。ドコモで契約をしてくれるなら、何らかの形でお得に光回線も利用でき、その場合のISPは(ドコモグループとしては)OCNに一本化される。
irumo、eximoというブランド名だけを聞けば、Y!mobileやUQ mobileといった他社が運営している通信サービスのサブブランドを想起する人も多いのだろうか。ところがその実態は、ドコモ本体が提供する料金プランに付けられたブランド名というから驚いた。
それぞれブランド名に込めた想いをドコモ自身はつづっているが、その部分にあまり意味はないだろう。そもそもドコモのユーザーは「ドコモだから」とブランドに信頼を置いて選んできたのではないか。
本来ならば「ドコモであること」がブランドであり、ドコモの提供するサービスの中で音声、データ通信それぞれのニーズに合わせたメニューに落とし込まれていればいいはずだ。何しろirumoもeximoも、ドコモのサービスなのだから。
それなのに、2020年にahamoを投入したときのような高揚感が感じられず、何ともいえない違和感を覚えるのは、単にドコモ回線の品質が落ちたからだけではない。それぞれのブランドが、独立したブランドとして通用するほどブランド力を持っていないからだろう。
例えばeximoは、これまで提供していたギガホプランの置き換えにすぎない。価格水準はKDDI、ソフトバンクの同等サービスとほぼ同じで、わずかな違いはあるにせよ、双方向ともに乗り換えを促すような要素はない。利用パケット通信量が1GB未満の場合は他社よりも1000円安くなる設定だが、これが現在の日本における大手携帯電話通信サービスの標準価格といえるだろう。
一方で、位置付けが、一見すると意味不明に思えるのがirumoだろう。
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