筆者は、従来型の与えられたストーリーをクリアするのが好きなゲーマーですので、正直な話としては、あまり「クラフト」自体に時間はかけずにプレイしています。
ただ、ゲーム業界的に明確に最近の傾向として出てきているのが「クラフト」要素の重要性です。
象徴的なのは、2023年までに最も売れたゲームは2億3800万本以上販売されている「マインクラフト」であるという点でしょう。
「マインクラフト」は文字通り「クラフト」要素がメインのゲームであり、通常のゲームモードでは、ストーリーをプレイするのではなく、ゲームの世界での素材集めやクラフトを楽しむゲームです。
ボス的な敵は存在しますが、エンディングを目指してプレイするわけではないというのが典型的な「クラフトゲーム」の特徴といえるでしょう。
また、4億人の利用登録があると言われている「フォートナイト」も、バトルロワイヤル型の対戦ゲームがメインになっていますが、いわゆるシューティング要素だけでなく建築という「クラフト」要素があるのが大きな特徴です。
さらに、「フォートナイト」は対戦だけでなく、自分だけの島やゲームを作ることができる「クリエイティブ」のモードがあり、多くのクリエイターが日々新しいゲームを生み出しているのです。
こうした「クラフト」要素があるゲームというのは、さまざまな領域で増え続けています。今回の「ゼルダの伝説」シリーズに、本格的に「クラフト」要素が取り入れられたのは、そうした世界的なトレンドを受けたものであることは間違いないでしょう。
ただ、ゲームの自由度が高ければ高いほど、そのゲームの構造上、ストーリーが存在しなかったり、中途半端なものになりがちです。
「ティアーズオブザキングダム」の真の凄さは、従来型のストーリーを重視したロールプレイングゲームと、自由度が高い「クラフトゲーム」の両方の良いところを組み合わせ、悪いところが顔を出さないように丁寧に作られている点でしょう。
今回の「ティアーズオブザキングダム」は、「クラフトゲーム」と従来のロールプレイングゲームの境界線を明確に壊してしまったように感じます。
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