コロナ前より業績上回るケースも “勝ち組”外食企業の共通点とは上場企業の業績を分析(1/3 ページ)

» 2023年07月11日 05時00分 公開
[佐久間 俊一ITmedia]

著者プロフィール

佐久間俊一(さくま しゅんいち)

レノン株式会社 代表取締役 CEO

城北宣広株式会社(広告業)社外取締役

著書に「小売業DX成功と失敗」(同文館出版)などがある。

グローバル総合コンサルファームであるKPMGコンサルティングにて小売企業を担当するセクターのディレクターとして大手小売企業の制度改革、マーケティングシステム構築などDX領域のコンサルティングを多数経験。世界三大戦略コンサルファームとも言われている、ベイン・アンド・カンパニーにおいて2020年より小売業・消費財メーカー担当メンバーとして大手小売企業の戦略構築支援及びコロナ後の市場総括を手掛ける。2021年より上場会社インサイト(広告業)のCMO(Chief Marketing Officer)執行役員に就任。

2022年3月小売業と消費財メーカーの戦略とテクノロジーを専門にコンサルティングするレノン株式会社を設立。

2019年より1年半に渡って日経流通新聞にコーナーを持ち連載を担当するなど小売業には約20年間携わってきたことで高い専門性を有する。

日経MJフォーラム、KPMGフォーラムなど講演実績は累計100回以上。


 3月決算の企業も多く、上場企業の業績がほぼ出そろいました。今回はコロナで最も影響を受けたと言っても過言ではない、飲食業大手42社の業績推移を見てみたいと思います。

コロナ前より好調な企業の共通点とは?(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 飲食業の人材紹介を軸に事業展開するインデンエンターテイメント(京都市)のメディア「インバウンドプラス」が、11業態42社を分析したレポート(全60ページ)を発表しました。11業態42社は次の表にあるように、くら寿司、日本マクドナルド、ワタミなどとなっています。

インデンエンターテイメント作成(出所:上場飲食企業42社の業績分析レポート、以下同)

 同調査によると、コロナ禍の2020年から21年にかけて赤字になった企業は27社(64.3%)にものぼります。また、42社の売り上げを合計して19年と比較すると103.9%となっており、全体的にはコロナ前を上回りました。売り上げがコロナ前より成長している企業が42社中19社(45.2%)、22年時点も赤字が継続している企業が14社で全体の約3割という結果に。復活企業と苦戦企業が明確に分かれているようです。

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