実は同じことは、記事の内容だけでなく、文章にあわせて載せる写真などを選択するときにもあてはまります。
講義の紹介記事となると、「講義だから」と安易に教室での受講風景の写真が選ばれたり、「いい表情だから」と笑顔の受講者の写真が選ばれたりすることは少なくないのですが、そこに一貫性がなければ、読んだ人は違和感を覚え、納得したり、共感したりしづらくなります。
でも「伝えるべきこと」が自覚できていれば、そうはなりません。
先ほどの「自校の講義では、特別な緊張感のおかげでふだん以上に集中でき、多くの学びを得られる」を「伝えるべきこと」とするのであれば、受講風景の写真は緊迫感があるものがいい、受講者の写真は笑顔のものではなく、真剣な表情のものが適している、と迷うことなく判断できます。
感度のいい人はすでにお気づきかもしれませんが、デザインも同じです。
「伝えるべきこと」が定まっていれば、それを感じてもらうのにふさわしいデザインをつくったり、制作をデザイナーに依頼したりすることができるし、評価することもできます。
いまの講義の例であれば、「真剣味やリアリティを感じられるようなデザインがふさわしい」と方向性を打ち出すこともできる。
でも、「伝えるべきこと」をはっきり意識しないまま、「このほうがおしゃれだから」とか、「なんとなく好きだから」といった理由でデザインしたり、デザインを選んだりすると、要領をえないものになってしまいます。
文章にせよ、写真の選択にせよ、デザインにせよ、「はっきり分かっているから、はっきり伝えることができる」という基本は同じなのです。
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