多くの駅の階段には、矢印が備えられている。ほとんどは床面にあり、左側通行だ。蹴上げの部分に矢印が付いている場合もある。これらを見て、人はどこを歩くかを判断する。
混雑する駅では、上りの人が使用する箇所と下りの人が使用する箇所で色分けがなされており、くっきりと利用者が分かれるようになっている。階段に矢印を示している場合も多い。
階段で分かりやすく矢印を示している(提供:ゲッティイメージズ)
また、駅の中で比較的狭い通路でも似たような取り組みは行われている。例えば新宿駅では、京王電鉄の駅からJRの駅に向かう場合(乗り換え地下通路)、人が歩く場所の幅を広く取り、逆を狭くしている。大きな駅では利用者がどこを歩くべきなのかを分かりやすく示すことで、混雑のリスクを避けようとしているのだ。
自動改札機もまた同じだ。双方向利用可能な箇所ばかりではなく、入場のみ、あるいは出場のみを片側に寄せている。中央部を双方向利用可能にし、時間帯によっては入出場のどちらかにし、人の流れを整理している。
また、駅構内が複雑で特殊な場所に特急のホームがある場合、床面にそのホームへの道筋を、色を付けた線で示していることもある。このようなちょっとした工夫によって、利用者は混乱せず、迷わず、スムーズに駅の中を行き来できるようになっている。
- 次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
- ドラえもんがつくった地下鉄は公共交通か? ローカル線問題を考える
『ドラえもん』に「地下鉄を作っちゃえ」という話がある。のび太がパパのためにつくった地下鉄は公共交通と認められるか。この話をもとに、公共交通になるための過程、利用者減少から撤退への道のりを考えてみたい。
- 2025年の大阪・関西万博で、鉄道の路線図はどうなるのか
2025年に大阪、夢洲で「2025年大阪・関西万博」が開催される。政府は主要公共交通機関に大阪メトロ中央線を位置付けた。このほか会場へのアクセスには船とバス、さらに具体化していない鉄道ルートが3つ、近畿日本鉄道の構想もある。また会場内の交通には、3種類のモビリティが計画されている。
- 不人気部屋が人気部屋に! なぜ「トレインビュー」は広がったのか
鉄道ファンにとって最高の「借景」が楽しめるトレインビュールーム。名が付く前は、線路からの騒音などで不人気とされ、積極的に案内されない部屋だった。しかし鉄道ファンには滞在型リゾートとなり得る。トレインシミュレーターや鉄道ジオラマなど、ファンにうれしい設備をセットにした宿泊プランも出てきた。
- 東京メトロ「有楽町線」「南北線」の延伸で、どうなる?
東京メトロ有楽町線と南北線の延伸が決定した。コロナ禍で事業環境が大きく変化する中、東京メトロが計画する今後の戦略とは。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.