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増える「45歳以上の転職」 成功者は、ある苦難に直面する(1/2 ページ)

» 2023年07月27日 09時50分 公開
[小林祐児ITmedia]

この記事は、パーソル総合研究所が2022年4月25日に掲載した「『40代からの転職』の難しさ 〜『即戦力』規範の功罪〜」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などはすべて掲載当時のものです。


 40代以降の中高年層の転職が増えている。ここ10年間で、44歳以下の転職者数は増減率98%とほぼ横ばいだが、45歳以上の転職者数の増加率は、景気変動の影響を大きく受けながらも145%と増加した(2010〜20年の労働力調査より)。「近年、転職が増えた」といった世間の一般的な感覚は、実質的にはほとんどが中高年の転職増加によってもたらされている。

 一方で企業にとっても、給与の高い中高年層は常に悩みのタネであり続けてきた。50代前後となった団塊ジュニア世代を厚く抱える多くの企業が70歳までの就業機会確保の努力義務化(高年齢者雇用安定法の改正)とコロナ禍に直面した今、大手企業を中心に希望退職募集が増加している。

 しかし、中高年になると転職先を見つけるのも一筋縄ではいかない上に、転職した後にも若い頃とは異なる特有の苦労が待っている。本コラムでは、立教大学の中原淳教授と筆者が執筆した書籍『働くみんなの必修講義 転職学』のデータを紹介しつつ、中高年層の「転職後」を議論していきたい。

「転職後」に中高年を待つ苦労

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